★REALTOKYO STAGE欄 更新：
ボカ星から、音楽大好きな彼らがまた、やってくる！
『ボカ・ピープル』
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『高校演劇サミット』プレビュー
2本目は
県立甲府南高等学校『秘密の花園』。
作は 顧問の中村勉さま。
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開演前に 那須愛美さまが 客席に向けて
これは 短歌甲子園のお話、
日本語は 「赤いきつねと 緑のたぬき」「あなたとコンビに ファミリーマート」など
5や7のリズムが多く 心地よいということ、
ここで 即興の歌を詠むので
5 の 部分を 担当してほしいと
お客さんに ふったのですが
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このときの 愛美さまの
なんという 落ち着き！
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「君と僕」「泣きぬれて」と お客さんからもらい
即興で 付合の脇を詠み プロジェクターに映し出す
小澤貴束さま（唯一の男子！）も 落ち着いていました。
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この 落ち着いた ほのぼの笑顔の エンターテインメント、
「すごく いいなぁ」と 思ったのですが
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とはいえ
登場人物は4人。
短歌甲子園という題材。
パイプ椅子だけの 簡素な舞台。
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地味そうなのに
そして 短歌を 演劇にって
ちょっと 無茶を予感させるのに
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わたくし ダントツで
この作品が好き！！！
もっと言えば ファンになったと言ってもいい！
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短歌甲子園に出るにあたって
いつも歌を選んでくれた 大好きな先生が入院しちゃった。
那須愛美さまは 先生のモノマネで
田中里歩さまや 守山明里沙さまを 元気づけようとするのだけど
「なんで先生のマネするの？！」と 言われ
皆で悲しく 苦しくなっちゃう。
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そこで 明里沙さまが
「先生に会いに行こう！」と 言い出し
先生の入院している病院へ行こうとする。
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ここまでも 彼女たちの歌や 帰りの放送が
プロジェクターに映し出される塩梅や、
しゃべらないクラスメイトの 貴束くんが とてもいい味で。
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そして 病院は 岬口
という ちょっと遠いところ。
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先生は何で入院しているの？
面会時間過ぎているよ？
会えるだろうか？
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不安を抱えても でも 行くことにする。
ダッシュでバスに乗り
電車に乗るまでに 時間があるから
ロッテリアに寄るのだけど
雨が どしゃ降りに。
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愛美さまは ロッテリアが 嫌いだったり
みんなの頼むもの 1品ずつなのが 高校生っぽくて 愛らしい。
オーダーは それぞれ
チーズバーガー フライドポテト なめこシェイク（！）なのだけど
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フライドポテトの明里沙さま
が 転んでしまって
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ポテト 持ってないのに
ポテトが 宙に舞うのが 見える～～～ッ！
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さっきのバスのシーンも 乗降時に 「ピッ」としたり
揺られたりして 進んでいるのがわかります。
途中、「ガンなら さくらガン病院」とアナウンスが入る車内。
先生は ガンなのだろうか？とも 思えて
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観客の想像力を味方にして これぞ 演劇じゃないか！！
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そして ロッテリアは
ポテトをこぼして がっかりする明里沙さまに
里歩さまが チーズバーガーを めぐんだり
愛美が まずいという なめこシェイクを 明里沙さまに 飲ませたりして
（明里沙さまは なめこシェイク 美味しい派）
なだめて
そんなこんなで 電車発射時間に ギリギリで ダッシュ！
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電車内で 座って 一緒に寝ちゃう 3人。
起きたら 土砂崩れで 電車が止まっちゃう。
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どうしても先生に会いたい明里沙さまが
「地図上は、この山を越えれば病院はすぐだから 外に出よう」
と
東京から譲り受けた古い車両の窓を持ち上げ それに続く 里歩さま。
地図の縮尺を気にする愛美さまも 結局 続いて
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「山を 登ろう、
山の標高が 200数メートルだから大丈夫」と 登る3人。
標高＝登るのが200数メートル ってわけじゃ ないのに？！
でも 雨はどんどん 強くなり 大雨洪水注意報は 警報になって
びしょびしょになって 制服がはりついちゃう。
一休みしていれば 熊が 出てきて
熊と戦い
（熊だ！ というときの プロジェクターには
いつも 明朝体の文字だけなのに 熊の ゆるい絵が描かれているのも
可笑しくて）
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先生が 山の頂上に 皆に託したものがあるというけど
それは マイクで
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「電車にも 土砂崩れがあり
生き残ったのは3人」という記者会見から
「その悲しみを乗り越えて アイドルになります！」
と 記者にあおられ 3人が
「アローン・アゲイン」を 歌う
ここまでの スピード感！
アイドルになる瞬間に 白いハイソックスを
ぽーん
ぽーん
と 脱ぎながら ほおり投げる その美しさ。
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わたくしは こんな演劇 観たことない！
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日本語の歌詞がついて 今風にアレンジされた
オサリバンの「アローン・アゲイン」を
時には 後ろを向いて おしりを ふりふりしちゃう彼女たち。
「アローン・アゲイン」の歌詞が
日本語だと
5・7・5になっているのを 彼女たちが 歌うのが
短歌アイドルみたい！
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そうかと思えば 急に
10周年 とか 引退 とかで
普通の女の子に戻るため マイクを 置いたり
（この キャンディーズとか 百恵ちゃん感 平成の高校生とは思えぬ）
無言で メイクしたり
デビュー曲は何だったかな？その次の曲は？と 話し始めるんだけど
それが全部「アローン・アゲイン」。
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かと思えば また突然 電車に戻り
「先生
まだ入院してるかな？」
と 10年経っても先生に会いに行くのを 続行。
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これを 彼女たちが
並んで座ったり 居眠りに落ちたり覚めたりの「ガクッ」という動作だけで
パッと 切り替えていくのが
お見事すぎる。
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岬口から タクシーに乗って
タクシーの運転手さんが 前を向いてくれなくての ドライブ劇は
いつも 車に乗る演技が下手すぎる オイスターズも ビックリ
だよね！
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なんだかんだで やっと病院に着くけど
面会を 言い出せなくて
心細くて 泣いちゃう 3人。
警備員さんに 調べてもらって
「先生はもういない」と言われ
「死んじゃったんだ」 と 泣いちゃう 3人。
結局 今日 一時帰宅からの 転院とのことで
警備員さんに「送っていこうか？」と言われても
ぶんぶんと 首をふって 学校に帰る 3人。。。
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出演者 4人しかいなくても
貴束さまが学校の制服姿のまま いろんな役に どんどん変わったり
プロジェクターを うまく使ったり
または 不在は不在のままで
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プロジェクターを使ったら 下手すると 安っぽくて
虚構まる出しで 手抜きに思わせるのに
アイドルのシーンだって その脱皮の瞬間は
靴下を脱ぐだけなのに
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演劇って 想像力だけで 面白くなるんだね。
私たちの想像力と 4人の想像力が 合わさって
こんなに 芝居が 強くなる！
進めば進むほど ぐいっぐい 引き込まれていく。
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冒険の 走行距離を のばすほど
演劇の醍醐味 あふれていく中
彼女たち3人が 学校に戻って 物語が おだやかに収束していく
のですが
その役割を 貴束さまが 担っていく。
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彼女たち3人を待っていた 貴束さま。
3人が去ったあと「先生から預かった」という 手紙。
そこには 先生が 選んでくれた歌。
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愛美さまが 得意の 先生のモノマネで 読み （このためにモノマネがあったんだね！）
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とっても遅い時間まで 彼女たちを待っていた 貴束さまが
静かに見守る中の
愛美さまの 先生のモノマネの 愛らしさは
雨のあとの 静寂のようで
雨のあとの きらめきのようで
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最初に詠まれた 彼女たちの3つの歌は
先生の添削が ちょっとだけ 入った。
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その歌は 「先生」のことを 詠んだもの。
先生と呼ぶ人がいれば 春の廊下はあたたかくなり
先生と話すときの私の声は 一番きれい
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先生の病状は 語られていないけど
携帯を持っていなかった先生が
いきなり
iphone6+
を 買ったという 笑っちゃうくだり、
そのアドレスを 里歩さまが 登録するんだけど
「先生 今は
LINEです」
と 突っ込むときにも
彼女たちは 7や 5のリズムになっている～ッ。
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そして 帰ろうとする 彼女たちに
「ぼくも入部したい」と 寡黙な 貴束さまが 詠む歌、
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稲穂のように 地味な ぼくだけど（←ああ わたくし ちゃんと 覚えてないの 悔しいッ）
きっと咲くから
見ていてほしい
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う っわ～～～～！！！
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朴訥な表現のなかの エロティック、
短歌への 愛の告白みたいで
そして
自分の成長を見ていてほしい という 彼女たちへの 愛の告白も かけられていて
じゅん じゅわ～～～
っと きましたよ！！！
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このとき わたくしの脳裏では
貴束さま
わび助！
と 思ったのだけど
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行こうよ、全国！
行こうよ、短歌甲子園！
みたいな 終幕は
『幕が上がる』
みたいで
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彼の役割も （原作の）わび助みたいで
わび さび の 彼に ぴったりだなと 思ったのです。
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楽しすぎて きらめきすぎて 素敵すぎる
4人の彼らの 冒険。
裏方で支えたのは あと2人（照明：島田梨沙さま・音響：金恩珍さま）の 小さな小さな座組。
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この演目でだったか忘れたけど
公開ダメ出しで 田中圭介さまが
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エネルギーを 受け取り
エネルギーが 舞台に返る
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と おっしゃっていて
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元気をもらった
なんて クサイこと言うの 照れくさいけれど
舞台って そうなんだ。
生命力って 伝播するんだ。
めいっぱい 輝く彼らは 無敵で
果てしなく ワクワクさせる想像力も 無敵。
わたくしは こぴっと チャージされたのです。
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公開ダメ出しでは
「雨に降られたとき 何がイヤか
制服がはりつくことか
びしょびしょになることか
寒さか 髪の毛のハネか 1人1人違うはず。
山の森の中のシーンも
蚊がイヤなのか 泥がイヤなのか
その日その日で 遊んでみては」
「無言メイクも その前後の緩急を」
と アドバイス。
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そうやって 劇を深くしていくんだな・・・
と 細かいディテールの リアリティづくりや
ちょっとした面白さの 加味の方法を知れて 興味深かったです。
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白いハイソックスを ほおり投げるシーンも
田中さまのアドバイスだったそうで
あれは 印象的だったけど
「投げ方が 雑」だか「間」だかのアドバイスもあって
確かに そういう細かいことを詰めたら もっと無敵になりそう。
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それにしても
舞台で詠まれる歌は どれも 素敵だったな。
とくに
声帯を歌ったものと
最後の 貴束さまの、
刹那
が 歌に 染み込んでいて
正確に知りたい！
（個人的には 声帯が 正しく動くより 声が響くのほうが 素敵だと思うけどね！）
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ちなみにわたくしも 中学2年のときに
全クラスで 歌集をつくることになり
今でも ツイッターでよく
伊藤園俳句・短歌応募意欲作を 詠むわたくし たくさん
ノートに提出したのに
先生に選んでもらったのは
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気がつけば
18時間 眠ってた
文化的でない 文化の日の朝
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まさかの
一番ダメそうな これ
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かように歌のセンスが ないわたくしですが
成蹊高等学校の 松尾座礁の俳句といい
甲府南高等学校の きらめく短歌といい
5や7の リズムが大好きなわたくしのツボに ジャストミートです。
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そういえば アゴラのロビーに
甲府南高等学校の皆様が 『幕が上がる』のていで 撮った写真が 飾ってあったのですが、
彼らは 顧問の先生の車で アゴラまで通っている
そうです。
先生・・・『幕が上がる』の 溝口先生みたい！
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顧問の 中村勉先生の 他作品は
31日火曜日にも 甲府南高等学校で 上演されるそうで
思わず 本気で 時刻表を調べてしまったけれど
東京に戻ってこないといけない用事に間に合わず 無念。。。
これ 火曜日じゃなかったら 観られたのに！！！
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ＷＥＢサイト REALTOKYO
☆STAGE欄に
●『ボカ・ピープル』 NEW!!
●『高校演劇サミット2014』
リコメンド 掲載中です。
☆2014年「私の10大イベント」 も 参加しています！
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高校演劇サミット プレビュー②『秘密の花園（県立甲府南高等学校）』＠こまばアゴラ劇場
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