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Channel: 14歳と●●●ヶ月 別館【ヨコウチ会長】
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ハイバイ『ヒッキー・ソトニデテミターノ』@東京芸術劇場 シアターイースト

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NEW!! 2017年、アニーになりたい歴30周年!
エンタメ特化型情報メディア SPICE
【THE MUSICAL LOVERS】にて、ミュージカル『アニー』についての連載コラム

が 始まりました!
[第1回] あすは、アニーになろう
[第2回] アニーにとりつかれた者たちの"Tomorrow"(前編)
[第3回]アニーにとりつかれた者たちの"Tomorrow"(後編)
[第4回]『アニー』がいた世界~1933年のアメリカ合衆国~ <その1>フーバービル
[第5回]『アニー』がいた世界~1933年のアメリカ合衆国~ <その2>閣僚はモブキャラにあらず!
[第6回]アニーの情報戦略
[第7回]『アニー』に「Tomorrow」はなかった?
[第8回]オープニングナンバーは●●●だった!
[第9回]祝・復活 フーバービル! 新演出になったミュージカル『アニー』ゲネプロレポート
[第10回]『アニー』がいた世界~1933年のアメリカ合衆国~ <その3>ラヂオの時間
[第11回]『アニー』がいた世界~1933年のアメリカ合衆国~ <その4>飢えた人々を救え!
[第12回]『アニー』がいた世界~1933年のアメリカ合衆国~ <その5>ウォーバックスにモデルがいた?
[第13回]ブラックすぎる!? 孤児院の実態
[第14回]ウォーバックスの財力と華麗なる元カノ遍歴
[第15回]Leapin' Lizards! リメイク映画『ANNIE』のトリビア<前編>
[第16回]Leapin' Lizards! リメイク映画『ANNIE』のトリビア<後編>
[第17回]ミュージカル『アニー』オーディションレポート
2018の主役&孤児役合格者、発表! 新アニー役は新井夢乃&宮城弥榮!

[第18回]決まったぞ~! ハニガン役に辺見えみり、グレース役に白羽ゆり!丸美屋食品ミュージカル『アニー』2018の大人キャスト 見どころとアンサンブル役の復習
[第19回]サンディが33年目にして犬種チェンジ! 丸美屋食品ミュージカル『アニー』2018製作発表レポート

☆☆12月30日 アニー連載更新!☆☆
[第20回]新旧演出版のアニーたちが最後の共演!『アニー』クリスマスコンサート2017」レポート 12/30 NEW!!

☆☆1月5日 シアタークリエ『TENTH』の『ネクスト・トゥ・ノーマル』&10周年記念ガラコンサートのレポ書きました!☆☆
シアタークリエ10周年記念コンサート『TENTH』が開幕! 『ネクスト・トゥ・ノーマル』&『ガラコンサート』公開リハをレポート 1/5 NEW!!

☆☆1月19日 英国ロイヤル・オペラ・ハウス(ROH) シネマシーズン 2017/18『くるみ割り人形』
バレエ初心者視点でのレポ書きました!☆☆

バレエ初心者は観た、「ROHシネマシーズン 2017/18」ロイヤル・バレエ『くるみ割り人形』~本日1/19より上映の話題作 1/19 NEW!!

☆☆2月7日 『ファン・ホーム』ゲネプロレポ書きました!
リトルアリソンは、『アニー』2017年、ジュライ役の笠井日向さま!☆☆

ミュージカル『FUN HOME ファン・ホーム ある家族の悲喜劇』2月7日より開幕 2/7 NEW!!

☆!ブログの無断転載・転用・お断りします!☆
☆☆文中 リンクがあるものは わたくしの当時の記事またはオフィシャル記事などに飛びます☆☆
☆!鑑賞レポートはすべてネタバレです!
(メモを取っていないので、間違いがあるかもしれませんが)☆



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

東京芸術劇場 シアターイーストへ
ハイバイ『ヒッキー・ソトニデテミターノ』
を 観に行ってきました。

『引きこもり 外に出てみた(ヒキコモリ パクロ ナワッソ)』
というタイトルで 2015年に韓国で翻訳上演された際は、
引きこもりやその支援団体ついての取材が殺到したり、
泣きすぎて人に抱きかかえられて会場を去る客が出るなど、熱狂的と言えるほどの支持を得た
(SPICE 吉永美和子さま取材記事より)

と いいます。

まずは ハイバイおなじみの
「飴 チリチリしないで」の 前説。
舞台には 役者さんが わらわらと 全員出てきている。
そこには 
今回、急な代役で
古舘寛治さまのかわりに演じる 松井周さまも。

岩井秀人さま
我々くらいになると
2日もあれば 台本を覚えられる
んですが
今回は あえて 松井さんに 台本を 持ってもらいます。
常に全貌を把握している人が ここにいる、
という・・・」


ああ、この
全員が 同じ場に集まって
そして 虚構を説明してゆき
そのままシームレスに 劇になる感じ、
岩井秀人さま さすがだなぁ~!

そして その共犯関係を 即 受け入れる
ハイバイのお客さん、
開演5分前には ほぼ全員席についている(物音禁止だという 観劇の世界に入るルールを 知り尽くして 楽しんでいる)

10年間引きこもり 親に暴力をふるい 暴言を吐き
家の王がごとく 威張り散らし 
傍若無人に ふるまう 息子・太郎(田村健太郎さま)に
すぐ謝ってしまう 母・かなこ(能島瑞穂さま)。
出張お兄さん事務所に 相談にゆく かなこと 父・きよし(平原テツ様)。
かなこ「10年間、家から一歩も出ないっていうのは 長いですか?」
事務所の女性・黒木(チャン・リーメイさま)
「他の人と比べて家から出ない時間が短いと、安心しますか?」
ここは寮にもなっていて
いつも ズボンを ずるずる下げている ベテラン(高橋周平さま)もいる。
それをいつも 直している 寮生・藤谷理子さま!

事務所には 10年間 引きこもっていた森田(岩井秀人さま)も 黒木の助手的に働いている。
森田は 黒木とともに 
28年間引きこもっている 和夫(松井周さま)の家を訪ねる。

和夫は ノートをたくさん持っていて
ありとあらゆる事態に対応できないと、と
いろんなシチュエーションの会話を レッスンしている。
病院の行き方を聞かれたときの説明を 練習し
「相手は普通の社会生活をしている人だから」と 自分の説明の ほんのちょっとのわかりにくさも 
「醜態」と言って 自分で自分を許さない。

それにしても 
「道の説明すら どっさりノートにシチュエーションを書いて
読んで 練習する 和夫」=「台本を持っている 松井周さま」

が もう 本当にドンピシャで
合っていて・・・!!

さて かなこときよしの息子・太郎に対して
兵糧攻めにして 家にひとりにして ここの寮のパンフレットを置くという作戦を
黒木が提案する。
かなこが「それは無責任」「私が、もうちょっと先のことを考えて
あの子とちゃんと接していれば」と言うと
黒木は、
「お母さんが 罪を償いたい みたいなことを言い続けると
太郎くんもそれを求め続ける。
それは終わることはないんだ」
と説得する。

太郎は 2週間後 両親に
後悔や謝罪のメールをくれる。
こんなことは初めてで、嬉しくて、太郎に連絡したい かなこ。
それを「我慢しろ」と言う 黒木。
すると3週間後、脅迫めいたメールに変わる。
親として 太郎に会いたい かなこに
世界は太郎くんの親ではないんだ」と説得する 黒木。
森田が様子を見に行くと「不法侵入だ」と警察に通報する 太郎。
でも警官は 裸のあぶない雰囲気の太郎を 捕獲!

結局 太郎も和夫も 寮に入る。
コンビニの向かいの ほっともっと(弁当屋)から
スカウトされている、と言う 和夫。
和夫「あそこの おかみさん
俺を見るときの目が 濡れている
太郎「その 濡れたおかみさん
のとこで 働くんですか?」
和夫「あんなにね
むっちりとした おかみさんに誘われて
断るのは・・・」

おかみさん!!!
(モヤさま?!)

和夫は この寮に来て 森田を見ていて
自分がこれまで思っていた「ちゃんと」が 意味がなかったと知る。
かつて入ったレストランに
「キノコ達の冒険」
という メニューがあった。
どうオーダーするのが完璧か?
「キノコ達の冒険を 僕も一緒にしたいです!」
と言うのは やりすぎだし、
もし注文したウエイターがノリが良くなかったら 最悪だし・・・と 思ってきたけれど
いろいろ ちゃんとできない森田を見ていて 世界のイレギュラーを許せるようになった。
それを聞いて うれし泣きする 森田。
森田はその感情をうまく言えないけれど 和夫は その森田の感情すら
即 きちんと整理して 話せる。
ここで 朗々と 森田の気持ちを代弁して
「ね、森田さんはそんなことも整理して話せないんです」
と 誇らしげに言う 和夫を演じる松井周さまの
イヤミ寸前の 絶妙な やわらかい人間っぽさ、お茶目さ、可愛らしさ!!

森田もかつて 引きこもりだった。
そこに 出張お兄さん(かと思いきや なんでも適応する「飛びこもり」の人)が 現れたり、
やっと外に出られた日に 満員電車でリュックを注意されて
リュックの中身を 車内に ばらまいて
誰も助けてくれなくて
拾うたびに げっぷが出て 笑われて 
高校生にゲロを盛大にぶっかけちゃって ボコボコにされた。

プロレスが大好きな森田は 家で 妹の綾(藤谷理子さま)と
いつも プロレスをやっていた。
ある日 家の近くに みちのくプロレスが来た。
行こうとする綾に
「みちのくに誰がいるか 知ってるのかよ」と 制する森田。

「知らない。
でも これから知ればいいんでしょーが!
だろ?!
先、行ってまっせーー!!

さて、寮では
和夫と太郎に 職が決まり
そのパーティーが始まる。
森田「おふたりに あっという間に
先を越されてしまったのですが」

太郎はスピーチを拒否し(田村健太郎さまのヤな感じ 絶妙・・・)
和夫は ちょっと気取って
「ただいまご紹介にあずかりました 斉藤和夫です。
そして お父さんです」

周~~!
優しい笑顔~~~!

和夫のお父さん(猪股俊明さま)、泣いちゃって
それを見ている和夫、
まったく派手な表情はしていないのに
その 眉毛、目、なにか言いたげだけど言えない口が
いろんなことを 想像させる。
この一瞬で
「自分はお父さんに苦労や心配をかけてきたんだ」
繊細で ものごとがよく見える和夫は 改めて気づいたんじゃないか、と
こちらの心にも 針が ぴゅっと刺さるように感じてしまった。
お父さんの人生を台無しにしていたのでは、という 和夫の心の自責・・・

そして 和夫は現在 48歳。
太郎の父・きよしが 46歳(2歳年下)
太郎が 23歳だと知って
「自分が46歳のときに 23歳の子どもがいたとしたら、
そして多少問題があっても 自分は解決できるのか」的なことを言う 和夫。
自分は「お父さんの息子(引きこもり)」だけど
もしかしたら「息子(引きこもり)のいるお父さん」だったかもしれない年齢を
超えている
のだ。

和夫は かつて 小学校の高学年でも おねしょをしていた。
お父さんは「おねしょは 夜 膀胱に水が溜まって」と メカニズムを説明してくれる枕型の
睡眠学習機を買った。
だけど 和夫はそれを股に挟んで寝てしまい 機械は一晩でダメになった。

それを「やっと参加できた」と言う お父さん。
和夫の人生に 参加できた。
猪股俊明さまのことだから
「うれしいんだよぉ~~」
と 言っていそう!(ハイバイ『て』後遺症)

対して 太郎の父・きよしは
太郎に「せいせいするわ、お前の世話にならずに生きていけるから」と暴言を吐かれ
きよし「俺もせいせいするわ」
太郎「お前それ本気で言ってんの?」
きよし「・・・本気だよ・・・
だって、そんなに、いつまでも一方的に愛するなんて、無理でしょ、無理なんだよ俺は」
ああ、どんなに暴言を吐いても コイツらになら愛してもらえていると 上から目線で思い込んできた
太郎の ハッとした怒りと哀しみと 驚きと 甘えと後悔が 全部混じった表情!

ここで 初出勤した太郎と和夫の
街の音に 「おねしょは、夜、膀胱に水が溜まって・・・」という
睡眠学習機の音が入って
そこに森田の過去の記憶が混じって
「出たんだ、
もう俺は外に出た。出てるの。
だからそれを、繰り返すだけでいいの。
ここを、あそこまで、まっすぐ・・・」

ってなる
ハイバイの舞台創り、ほんっとうに素晴らしい!!

だけど 初出勤のその日
太郎と別れてすぐ 和夫は電車に飛び込んだ。(老いた お父さん 賠償金 大丈夫・・・?)
和夫のお父さんに謝る森田。それを叩く黒木。
森田「あの人はすごくいろんなものを背負えちゃう人だと思う。それを気づけなかった・・・」
黒木「気づけなかった?死ぬって」
自分の責任にしたくない 黒木。
自分たちの仕事は「外に出す」まで。

そんな2人に 和夫のお父さんが
「あいつもなんとか 最後のほうは
ようやく 人生っぽくなった」と 感謝してくれた。
寮に入って 少し太った 和夫。
自分の子どもが「太る」という 成長する感覚を 忘れていた。
あんなにいろんな声を出すやつだったなんて 知らなかった。
あんなにいろんな顔をするやつだったなんて わからなかった、と。

この「あいつ」や「やつ」という きれいではない言葉に すごく愛を感じてしまう・・・

寮のベテランが 何度もつぶやく 少子高齢化の人口グラフの 逆三角みたいに
頭でっかちで 立っていられなかった和夫。
おしっこが溜まりすぎた膀胱みたいに 破裂した和夫。
人の気持ちがわかりすぎて 優しすぎて 背負いすぎた和夫。
台本どおりに生きてきたのに 台本のない人生に 対応できなかった和夫・・・!

黒木が「どうして人が家から外に出た方が良いかなんて
森田くん、わかる?」

家から出た日に ボコられた森田。
統計では100% 外に出たらひどい目に遭うってことなのに
なぜ?

それでも 森田は黒木と 新たな引きこもりの部屋に出向く。
黒木が「応答せよ、応答せよ」と言うと
出てくるのは 和夫。
黒木には それが見えない。

和夫
「キノコ達の冒険を 僕も 一緒に してみたい
です」


しゅ
周~~!!

このときの 松井周さまが、
ほっぺたに 手を当てて 考える人のポーズを取りながら
消えてゆく その可愛らしさ、「果物の名前かな?」
的な・・・)

和夫は 外に出る「冒険」を
してみたかった
!!

そして 森田が
「ちょっと行ってきます」と 歩いてゆく。
歩く森田に セリフは ないのだけれど
「外に出たら まっすぐ 歩けばいい。
それだけ」

というセリフが 観客の脳内に反芻される。
ああああ
ハイバイマジック!!!


でも 本当に なぜなんだろう。
なぜ外に出るんだろう。
人は 人との間に生きる「人間」だから?
勤労と納税の義務があるから?
じゃあ もし お金があったら 納税さえできれば 外に行かなくてもいいんじゃないの?
そうしたら誰にも傷つけられずに生きられるんじゃないの?

でも 森田は
「外に出て 良かったと思っている。
外に出たほうが 不幸せになる確率も上がるけれど
幸せになる確率も上がる」と言った。

だけど たとえば和夫は 引きこもっていたら死ななかったかもしれない。
「生きてさえいてくれれば良かった」「引きこもりでも良かった」?
いや、面倒をみてくれる親は いつまでも生きていない。
将来のために 子どもを「自立」させるべき?
買い物だけなら 通販もあるよ?
それでも外に 出なくちゃいけない?

そして
外ってどこ?
ハイバイ『ヒッキー・カンクーントルネード』
に 森田の妹・綾の こんなセリフがある。
「お母さんだって
いなげやと 家と ボーリング場
くらいの 小さな世界
じゃないの。
(引きこもっている)お兄ちゃんと 何が違うの


この『ヒッキー』シリーズをやると
岩井秀人さま、「外に出られるようになって 良かったですね」と 人に言われることが多々あって
それに違和感を感じている、ということを いくつかのインタビューで読んだけれど
それに関しては わたくしは
「ハイバイが観られて 我々が うれしいんだよぉ
or
「岩井さまのお芝居が好き」みたいな 意味なんじゃない?
と 思うけど、
それよりも 岩井秀人さまの言葉で印象深かったのは
「自分にも娘がいて 引きこもる可能性だってある」ということ。
そこに 
「おおう」と 思いました。

人は 誰かが結婚すると 「子どもは?」なんて 言ったりして
でもそのとき想像する「子ども」は 言葉はよくないけれど
「五体満足で 素直で 健康で 学校に元気よく登校して 将来は親孝行」
みたいな子だけを 想像しているように聞こえて
それを「普通」だと思っているように聞こえて
それは わたくし自身が子どもの頃から なんと言っていいのかわからない違和感があった。

通信簿の 教師のコメント欄の「フレンドリー」や
結婚式の場での「平凡で幸せな家庭」などの 言葉の中に
友だちが たくさんいるのが 正義で
家族とわいわい仲良くやれるのが いいこと
みたいな 無言の価値観が この世にある気がして。
自分の親でさえ 子どもに「自由でいてほしい」と言いつつ
孫を期待し、それが「普通」で そうでないと「おかしい」と 悪気なく倫理観を押し付ける。
たとえ「親の考えを押し付ける気はない」と言われたって
「子どもは 
小さい頃は 親のことが大好きな あどけなくて 可愛い存在で
不登校もなく 就職して
結婚して 孫を作ってくれる」みたいな 無言の期待、
「親戚や いとこや きょうだいは
何があろうと 仲が良いのが 普通」という 追い詰め、
ゆくゆくは「親の介護をしてくれるもの」だと 無意識下での プレッシャーを
勝手に感じてしまうことって ないでしょうか。

だけど 演劇には
いろんな家族が出てくる。
今年だけでも
ラッパ屋『父の黒歴史』
には たくさんの愛人の子たちがいる 父が出てきた。
それは世間では ストレンジかもしれない。
ミュージカル『next to normal』
は 双極性障害の母を持つ家族の話。
それは世間では ノーマルではないかもしれない。
ミュージカル『FUN HOME ファン・ホーム ある家族の悲喜劇』
では 父はゲイ、娘はレズビアンだ。
それは世間では ストレートじゃないという言い方をされるかもしれない。

だけど 演劇というフィクションは 多様な家族を映し出す。
親が嫌いだ、
家族と離れて生きたい、
同性のパートナーと生きてゆきたい、
という 選択や、
そして いわゆる「社会不適合」に生きること
(引きこもりや、精神病院、支援施設で生きること)
を 「弱い」とか「わがまま」という言葉で くくったりしない。

とおりいっぺんの 幸せでなくたっていい。
「誰かが決めたノーマル」の形におさまらなくたって いいのだ。
それはとても 自分にとって 救いになるのです。

完璧じゃなくていい、無知ならこれから知ればいい。
アンバランスだっていい。
誰かを上に見たり見下したりして疲れるなんて
自分が今日 生きてゆくことに どれほど必要だろう。

わたくしは ハイバイ『て』
「聞いてくれ、僕の家族の話を。
辛かったけど、面白いんだ」
という キャッチコピーが大好きで、
それはミュージカル『FUN HOME ファン・ホーム ある家族の悲喜劇』のレポートにも 書いたのだけど
人から見たら たとえ いびつだろうと
酸いも甘いも いろいろあろうと
生きることを「面白いんだ」
と 言いたい。
逆に アップダウンもなく つるんとした
品行方正な 道徳的な 文科省推奨的な 
「正しい形」の家族劇

その 悪気のなさ、「平凡で幸せな家庭」への疑いのなさが
わたくしにとっては よっぽど キツい。
「演劇の顔して
子どもっていいよぉ~ って言ってくる 素直な同級生 or 孫を求める親みたい・・・」
と そのキラキラを 受け止めきれないのです。


太郎の
親への暴力、何をしても許されるという甘え、尊大な態度は 腹が立つけれど
それは 精神的ブレーキや法律や倫理がもし きかなかったら
自分だって そうなっているかもしれない。
そして
誰だって 職を失うかもしれないし
誰だって 脳のコントロールがきかなくなるかもしれない。
ならば この登場人物の誰かを裁いたり 見下したり 差別したりといった 尊大な態度を
取れるだろうか。
仲良くすることだけが 家族の美点だなんて
きれいごとだけで 人生はすすまない。
(ちなみに太郎は あのまま就職したようだけど
勤労と納税の義務を果たす、という意味だけに絞れば
もし 人と話したくもない、人に興味がない、人とコミュニケーションがうまくとれない、などあれば
在宅の仕事でも いいんじゃない?と 思う)


それにしても 松井周さまの 
繊細な表情、独特の間、面白さ、すべて最高でした。
ああ、役者の 松井周さま
だ~い好き!
猪俣さまと古館さまだと 岩井さまのお父さんとか 品川幸雄先生的(C:ハイバイ『ポンポン』)で 似た者親子を 夢想しちゃいますが どんな感じで演るのだろう?
それも興味あるけれど、この 周さまの余韻を消したくなくて
あえて このままのバージョンを 自分の中に 大切にしておきたい。(これ、3500円なんて 実質タダやろ?!
思わず台本と 松井周さまキャンプリーダーの『おいでおいでぷす』DVDも 買ったけど そっちも合計3800円やで!!)

2月15日開催・岩井秀人さまのトークにも興味があったけど
逆に 余韻が消えちゃいそうで 遠慮しました。
あの 睡眠学習機が 「膀胱に水が溜まって」の後に 何を言っているのか わからないように
作者の意図も あえて これ以上 わからなくたって いいような気もするし
ハイバイ『おとこたち』トークにて
わたくしの質問は 100%読まれない
という 
たった1回の統計

出ているからネッ!


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☆エンタメ特化型情報メディア SPICEにて 演劇記事を掲載中です。
●ミュージカル『アニー』についての連載コラム【THE MUSICAL LOVERS】が始まりました!
[第1回] あすは、アニーになろう
[第2回] アニーにとりつかれた者たちの"Tomorrow"(前編)
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